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駅伝選手 ドーピング違反解説

更新日:2024年6月13日

今回は2023年9月に発覚した、駅伝選手のドーピング違反について解説します。
本件は、外国籍選手による違反で、帰国時に禁止物質を摂取してしまったようです。

違反が発覚した経緯

2023年9月16日に「第92回日本学生陸上競技対校選手権大会」が開催されました。
その際に実施された競技会時検査において、「ナンドロロン(禁止表:S1蛋白同化薬)」が選手の尿検体より検出されました。

帰国時に体調不良になって…

強化練習のために帰国していたケニアで体調不良になり、友人に届けてもらった薬を、成分の確認をすることもなく服用。
その薬に禁止物質である「ナンドロロン」が含まれていたことが明らかになりました。

意図的でなかったことは証明しなかった

選手は意図的な違反ではないと主張したものの、客観的な証拠を集めることは難しいと判断し、日本アンチ・ドーピング規律パネルによる聴聞会は行いませんでした。
そして、以下の違反が認められました。

【アンチ・ドーピング規程2.1項】
競技者の検体に禁止物質またはその代謝物、もしくはマーカーが存在すること

【アンチ・ドーピング規程2.2項】
競技者が禁止物質・禁止方法を使用すること、もしくはその使用を企てること

禁止物質

S1 蛋白同化薬
・ナンドロロン(19-ノルテストステロン)

※「競技会外における禁止物質」に該当し、常に使用を禁止されている
※「特定物質」には該当しない

意図的

意図的でなかったことは立証していない。

厳しい制裁を受けることに…

・違反物質が特定物質ではないこと
・1回目の違反であること
・早期に違反を認め、制裁措置の受託をしたこと
上記を考慮して、3年間の資格停止の制裁が科されました。

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